地熱対策特別委員会を開催 ―― 今年初の委員会
2017年5月5日 公開日本温泉協会の地熱対策特別委員会が1月19日(木)、全国旅館会館内の会議室で開かれました。平成29年に入って初めての委員会開催で、環境省と経済産業省資源エネルギー庁の担当者を招いて地熱対策の現況の説明を求め、活発な質疑応答と意見交換・表明を行いました。
環境省からは自然環境局自然環境整備課の温泉制度管理技術研究官と温泉地保護利用推進室長補佐が出席。全国温泉サミットの開催など温泉地活性化の施策に取り組むとともに、温泉資源の保護と地熱発電の開発にどう折り合いをつけるかのガイドライン改訂作業を進めていると話しました。
熱心な議論が交わされた地熱対策特別委員会
資源エネルギー庁からは資源・燃料部政策課の課長補佐と係長が出席。地元の理解を得ることを前提に地熱資源把握の調査事業に補助金を出すなどの予算化を進めていること、温泉の流量・成分への影響を判断するべく開発業者に恒常的なモニタリングを求めていることを強調した。
日本温泉協会はすでに「地熱開発のための国立・国定公園内の規制緩和に反対する」要望書を環境省に出しており、各委員からは、補助金欲しさに自治体や議員が温泉地での地熱発電推進に動いている、反対の声を上げるとつまはじきにされかねない、国は現場の実態をもっと知るべきだ……といった深刻な声が相次ぎました。
最後に当協会の大山正雄会長が、昨年9月に世界最初の地熱発電所があるイタリアを視察した様子を報告。「日本初の地熱発電所は1966年で世界3番目。日本は地熱の多くを温泉として利用しているのが他国との大きな違いで、これ以上の地熱発電の推進は長期的に温泉源を枯渇させかねない」と締めくくりました。